7月26日(日)支援者の談話室「当たり前を疑うナラティブワーク」と題した企画を行いました。
企画の趣旨は、支援者(対人援助職や対話に関心のある方)を対象に、答えのないテーマを語り合い、お互いの考えに触れる機会をつくるというものです。
そして支援者同士がつながり、支え合えるような関係性をつくることも目的にしています。
主催者からお声かけさせていただいた方やナラティブアプローチにご興味を持ってくださった方が参加してくださいました。
メンバーの詳細は省きまずが、臨床心理士・公認心理師、開業されているカウンセラー、児童相談所職員、児童養護施設職員、コミュニティ運営をされている方、精神疾患や引きこもり支援に携わっている方がご参加くださいました。
対話の様子
それぞれ初対面でしたが、簡単な自己紹介からスタートし、自然と対話が始まり、あっという間に2時間が経ってしまいました。
トークテーマとして「共感とは何か」という、ざっくりとしたテーマを用意していました。
そのテーマに触れつつも、各々の現場での課題感やナラティブに対する思い、またコミュニティづくりについてどう考えるかなどの話題があがりました。
参加された皆さんが、お互いの語りを尊重しながらお話を聴いてくださり、とても語りやすい雰囲気の中、進めていけたと感じています。
また、私自身、今回の企画についての進め方をキチッと決めることなく、その場で生まれた対話を大切にしていきたいと考えていたので、正直トークテーマは重要視していませんでした。
なので、どんな方向づけで話が進んでいくのか、あるいは何も話すことがなくなるのか、そういった懸念もありました。
もしかしたら、この企画が何をしたい会だったのかが明確に伝わらない懸念もありました。
しかし、みなさんの聴く力と語る力に支えられて、温かい雰囲気の中、対話ができたと感じております。
主催者のビジョン
支援者の談話室という名前にしたのは、大学時代の寮生活での体験から発想を得たからです。
私が住んでいた寮は、学生が200人近く住んでおり、そこに住む学生が自ら寮を管理・運営する自治寮でした。
その寮には談話室があり、暇を持て余した学生がいつも集まって、取り止めのない話をしました。
時には悩み相談に発展したり、時には夢や目標について語ったり、自分の生い立ちや人生観、価値観について意見をぶつけ合うこともありました。
もちろん深い話ばかりではなく、何気ないことを話したり、暇だから何かしようかとアイデアが生まれることもありました。
寮にあった、何気ない対話が生まれる文化、これを社会の中つくりたい。そういう思いから、この企画を考えました。
寮以外にも、似たような体験があります。
放課後になんとなく残っている人と話す時間だったり、部活後の部室での雑談であったり、理由もないファミレスでの集いなど、、、
この何気ない対話は、意味や目的からは始まっていません。
対話することそのものが目的になっていました。
そこでのやり取りの内容ではなく、その対話こそ、その時を充実させていたと思います。
そういう対話が生まれる場をつくりたい。
その結果として、自分の物語が語れるようになり、つながりが生まれ、孤独や不安が少しでも楽になれば良いと考えています。
皆さんからアイデアをいただく
企画の最後に、このビジョンを皆さんに共有しました。
そして、どうすれば思い描く形を実現させることができるのか、さまざまな角度からアイデアをいただきたく、提案させていただきました。
私のビジョンに共感してくださる方ばかりで、とてもありがたかったです。
その上で、そういったコミュニティをどう作っていくのか、この難しさについても話し合うことができました。
まず、
意味や目的を持たないコミュニティづくりが成立しうるのかという疑問が出ました。
社会人になると、時間的にも物理的にも心理的にも、新たなコミュニティに参加するにはいくつかのハードルが出てきます。
そのため、そのコミュニティに参加することの意味や目的、つまり動機が大事になります。
自分ごととして、そのコミュニティ参加の動機づけを高めるためには、共通する問題意識や共有する背景が大事になります。
しかし、それを前面に打ち出して、何らか目的や意味をつくると、最初の趣旨とはズレていってしまうというジレンマがあります。
さらに、何気ない対話が生まれる関係性をどうつくるのかという問題です。
例えば寮や学生生活の中では、共通の時間を過ごし、十分に語り合う土壌の上にその関係性が成立しています。
その関係性によって、何気ない対話が生まれているとも言えるのです。
大人になると、その関係性をつくることは学生の頃より難しくなるのは、想像に難くないと思います。
それをどうつくっていくのかが大きな課題です。
今回のメンバーから出た意見の中にヒントはあったと思います。
それは、「本音を出せるかどうか」ということです。
それこそ関係性があるから本音が出せるという見方もできるかもしれません。
しかし、必ずしも時間をかけて関係性を築かなければ、本音が出せないわけではないというわけではありません。
まさにカウンセリングがそうであるように。
大前提、時間をかけ、少しずつ関係性を築いていくことは大事です。
私もそれを目指しています。
この企画も定期的に開催し、できれば少しずつ参加メンバーを増やして、ゆるやかな関係性をつくっていきたいと思っています。
ゆるやかな関係性を築きながら、同時に本音を交えて対話できる場をつくっていく。
ビジョンを達成するためには、それを考えていかなければいけません。
まだまだ試行錯誤の状態で、参加者の方との対話を大切にしながら、活動を続けて参りたいと思います。
むしろその目指す場をつくっていくプロセスこそ、大事なのではないかとも思っています。
今後もたくさんの人、さまざまな立場からのご参加をお待ちしております。
私たちのビジョンに興味を持ってくださる方は、お気軽にお声掛けください。

